「歯が黄色くなってきたので白くしたい」
「歯にステインがつきやすいのだけど、対処法はあるのだろうか」
歯の色がくすんでくると見た目に影響が出るので、気になりますよね。
歯は第一印象を決める大事なパーツのひとつ。歯が白いと顔がパッと明るくなり、笑顔にも自信を持てるようになるので、歯の着色はできるだけ防ぎたいですよね。
そこで今回は、「歯が着色してしまう原因は何なのか」「着色を防ぐ対処はどうしたらよいのか」を解説していきます。
歯の着色(ステイン)の主な原因
歯が着色、変色する原因は主に2つあるとされています。
外側からの汚れで着色している”外因性”と歯の内部からの着色や変色”内因性”です。
着色が起こっている原因が「外因性か」「内因性か」によって対処法も変わってきます。まずは着色が起こる原因を詳しくみていきましょう。
歯の着色(ステイン)が起こる要因 ①外因性
色素沈着による着色(ステイン)
歯が着色してくる一番多くの原因は、外来性の色素が沈着したことによるものです。
歯の一番外側を覆うエナメル質は、ペリクルと呼ばれる獲得被膜に覆われています。ペリクルは歯磨きしたあとにすぐ付着するもので、歯を守る役割を担う反面、着色などが沈着しやすい点もあります。
食べ物や飲み物・タバコなど、口から入った成分がペリクルに付着し、それを「ステイン」と言います。成分がよく接しやすい前歯や歯の裏側、歯ブラシでは届き肉にくい歯と歯の間や歯の溝などにステインは残りやすいです。
例えば、右手でタバコを吸う方は右側の加える辺りに集中してステインが付いていることもよくあります。
被せ物や詰め物の劣化
以前に行った被せ物や詰め物の治療が劣化したことで色が変色しているケースです。
保険診療の白い詰め物や被せ物はプラスチックでできていて、年数が経つほど着色したり、摩耗してきたりします。
使用されているプラスチックとはレジンと呼ばれるもの。レジンは吸水性があるので時間が経つと変色します。また、表面がザラついていることでステインが沈着しやすくもなります。
一方、自由診療であるセラミックなどは陶器なので、ほとんど変色することはありません。
歯の着色(ステイン)が起こる原因 ②内因性
加齢による変化
歯の一番外側にあるのはエナメル質で、内側にあるのが象牙質です。象牙質は黄色っぽい色をしていると言われています。
加齢により、象牙質の黄色みが濃くなること、外側のエナメル質が削れて、なかの象牙質が透けて見えること、歯の亀裂によって色素が入り込みやすいなどが考えられます。
むし歯
歯が黒く見える原因として、むし歯もあります。
むし歯で歯が溶け、黒く透けている状態です。初期の段階では色はほとんど変わりませんが、むし歯が進行するほど黒く見えていきます。
神経が死んでしまったことによる変色
歯のなかには神経があります。
「むし歯が神経まで到達してしまった」
「ぶつけたなどの何らかの刺激で神経がやられてしまった」
「歯の根っこの根管治療を行った」
などの場合、神経が死んで色が変色することがあります。
テトラサイクリン系の抗生物質による影響
歯の形成期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用すると変色を起こすことがあります。しま模様や灰色がかった色をしている場合、こちらの原因が考えられます。
テトラサイクリンが象牙質のカルシウムと結合して沈着し、紫外線が当たることで色が濃くなっていきます。
歯の形成期に起こった何らかの影響
エナメル質形成不全とも呼ばれますが、何らかの影響で歯の形成時期に異常が起こった場合、歯の形が変形することがあります。
エナメル質が部分的に薄いことで歯の変色を感じられます。
歯の着色が気になるときの対処法
歯の着色・変色が起きる原因がわかったところで、それぞれの原因別に対処法をお伝えします。
①歯磨き剤で除去する
外来性の沈着物が付着して茶色っぽくなっている場合は、歯磨き剤などで除去するのもひとつの方法です。歯磨き剤には研磨剤が入っているため、汚れを除去する効果があります。
ただし、その分、歯の表面を傷つけてしまうリスクがあることも知っておきましょう。
「ホワイトニング」をうたっている成分はいくつか種類があります。研磨剤によってこすり落とすもの、汚れを浮かせて落とすもの、コーティングまでしてくれて再沈着を防ぐものなど様々です。
こすって無理やり落とすのは、一時的にきれいになっても再びステインが付きやすくなってしまうので、使いすぎは控えたほうがよいでしょう。
ただ、研磨剤もプラークなどの汚れを除去しやすいといったメリットもあるのでほどよく使うのが良いようです。
歯磨き剤の種類などでお困りのことがございましたら、お気軽に当院までご相談にいらしてください。
②歯科医院でクリーニングを受ける
もしステインなどでお困りの場合は、ご自身で対応するよりも歯科医院でのクリーニングをオススメします。
歯の表面を傷つけず、必要な汚れだけを除去して、最後はツルッと仕上がるようにコーティングします。
また、歯が着色・変色している原因を明確にお伝えすることもできます。歯の健康を維持しつつ、白くできる方法などを一緒に考えてごいきますので、ご自身で判断せずに当院までお越しくださいね。
③ホワイトニングをする
先ほどもお伝えしたように、表面にこびりついた汚れが原因ではない場合、ホワイトニングをする必要があります。
ホワイトニングはオフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニングの3種類あります。
・オフィスホワイトニング
歯科医院ですべておまかせできるもので、一度に一気に白くすることができます。早急に効果を出したい方にはオススメです。
・ホームホワイトニング
ご自身で行う方法で、色が気になったときにいつでも行うことができます。一度マウスピースを作ってしまえば、あとは薬液を追加で購入するだけで気軽にホワイトニングできるため、コスパが良い方法です。
・デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方の良さを兼ね添えたもので、一気に白くした上で、更に白さをキープし続けることができます。
被せ物や詰め物をやり直す
昔に治療した被せ物や詰め物が劣化したことによる着色・変色は、やり返すのがひとつ。ただし、以前の詰め物よりも少し大きく削る必要があるので、繰り返し何度も行なうのはやめたほうがよいでしょう。歯の寿命を短くしてしまいます。
詰め物や被せ物にも種類があります。自由診療の材料であれば、よりきれいな仕上がりで、美しさもキープできるので、気になる方はご相談ください。
ラミネートベニアやセラミックをする
歯の形成期に何らかの影響があった場合は、ホワイトニングや歯磨き剤では効果がでにくいことがあります。ホワイトニングではまだら模様がより目立ってしまうこともあるので、一度当院までご相談ください。
そのような場合には一層表面だけ薄く削って貼り付けるラミネートベニアや、強度もあるセラミックなどがよいのではないでしょうか。
ホワイトニングでは白さに限界がありますが、ご自身の希望の白さに合わせてお作りすることができます。
ただ、削った分、歯の寿命は短くなるなどのリスクはありますのでご了承ください。
むし歯の治療をする
むし歯が原因の場合は、むし歯の治療をしましょう。
ホワイトニングするにも、まずむし歯の治療をする必要があります。
歯科健診に久しく行かれてないようでしたら、当院までお気軽にお越しください。
最後に
いかがでしたでしょうか。
歯の着色・変色には原因があり、原因によって対処法も変わっていきます。色の違いなどはわからないと思いますので、お困りのことがあればご連絡くださいね。