歯周病予防になる歯磨き粉の選び方!衛生士のおすすめも紹介

歯周病

歯周病は日本人のほとんどの方がかかっていると言われている、とても身近な病気です。

「良い歯磨き粉を使って歯周病を防ぎたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

ただ、歯磨き粉は数え切れないぐらい種類があるので、どれを選んだらよいのかわからないですよね。

そこで今回は、歯科衛生士がおすすめする「歯周病予防になる歯磨き粉の選び方」をご紹介します。歯磨き粉の成分を分析して、どれが本当に効果があるのか考えていきましょう。

成人の8割がかかる歯周病の怖さ

お口の中には「常在菌」と呼ばれるたくさんの細菌が存在しています。

常在菌のなかでも歯周病菌が多くをしめていたり、病原性が高い歯周病菌がいたりすると、歯周病が悪化しやすいのです。

そのほかにも、体質的な問題や遺伝的要素、喫煙や糖尿病などさまざまな要因がリスクとなります。

歯周病を予防するには、細菌が繁殖したかたまりである「プラーク」を歯磨きで取り除いていくことが大切です。

そこで、歯磨きの補助的な役割である歯磨き粉の出番です。

歯磨き粉は、効率的にプラークを除去する成分や炎症を抑えたりする成分などが含まれています。

成分別「歯周病予防」のための歯磨き粉の選び方

歯磨き粉は「歯磨剤」とも呼ばれ、化粧品と医薬部外品に分けられています。

基本成分からできているものを「化粧品」、基本成分に薬用成分が加えられているものを「医薬部外品」といいます。

日本で販売されている歯磨剤の90%は医薬部外品です。

歯磨き粉の成分「基本成分」「薬用成分」

歯磨き粉の成分は「基本成分」と「薬用成分」に分かれて記載されています。基本成分は研磨剤と発泡剤を主成分として、他に保湿剤や結合剤などがあります。薬用成分は名前の通り、むし歯や歯周病などを予防する成分が入っています。

歯磨き粉の基本成分

基本成分は、下記の通りです。

  • 研磨剤:プラークや着色を除去しやすくする
  • 湿剤:適度な湿り気と可塑性を与えてペースト状に維持する
  • 粘結剤:液体と固体成分との分離を防いで形態を保つ
  • 発泡剤:洗浄効果を促進させる、表面着物に浸透させて付着力低下
  • 香味剤:清涼感や消臭効果を与える
  • 着色剤:外観の調整を行う
  • 保存料:酸化などによる変質を防ぐ

基本成分はたいていどの歯磨き粉にも含まれていますが、商品によってはあえて入れていない成分もあります。

たとえば、発泡剤が強いとすぐにうがいをしたくなり、磨いている時間が短くなってしまうため、低発泡剤にしている。

研磨剤で歯が削れてしまうのを防ぐために無研磨のジェル…など。

しかし、発泡剤も研磨剤も汚れを効率よく落とすために必要な成分で、着色がつきやすくなることがあります。

どれも一長一短なので、歯科医院にてご自身に合う歯磨剤を処方してもらうことをおすすめします。

歯磨き粉の薬用成分

歯磨き粉の薬用成分はさまざまですが、むし歯予防にはフッ化ナトリウム、タバコのヤニ除去にはポリエチレングリコールなどがあります。

歯周病予防には、下記のものが有効だと考えられます。

プラークを分解させて歯周病の原因を取り除く

・デキストラナーゼ

殺菌効果

・クロルヘキシジン

・塩化セチルピリジニウム

・塩化ベンゼトニウム

・トリクロサン

・イソプロピルメチルフェノール

歯肉の炎症を抑制する

・塩化リゾチーム

・ヒノキチオール

・グリチルリチン酸

・アラントイン

・塩化セチルピリジニウム

・塩化ベンゼルコニウム

・トリクロサン

歯肉の収斂、浮腫を抑制する

・塩化ナトリウム

出血を抑制する

・トラネキサム酸

・アラントイン

血液の循環を促進する

・ビタミンE

・酢酸トコフェノール

歯石の沈着防止

・ポリリン酸ナトリウム

・ピロリン酸ナトリウム

・ゼオライト

歯周病で歯肉退縮した後、象牙質知覚過敏症を減少させる

・乳酸アルミニウム

・硝酸カリウム

口臭を抑制する

・銅クロフィリンナトリウム

・トリクロサン

 

上記の他にもあらゆる成分が配合されています。

ただ、基本的には歯磨き粉の成分はどれも似たりよったりで、歯磨き粉が歯周病を治すわけではないということはご理解ください。

正直なところ、歯磨き粉の成分で唯一期待できるものがあるとすれば、むし歯予防のフッ化物くらいではないかと個人的には感じています。

歯科衛生士がおすすめする歯周病予防の歯磨き粉5選

PGストップ

歯周病菌のなかでも悪さをするPG菌。PG菌の増殖やバイオフィルム形成をクルクミンという成分が抑えることが発見されました。

クルクミンはターメリックのことで、カレーなどにも使われます。そのクルクミンが配合されている歯磨き粉で、少しスパイシーな香りがします。フッ化ナトリウムも950ppm配合で、甘味剤はキシリトールです。

システマSP-Tジェル

酢酸トコフェノール、トラネキサム酸、グリチルレチン酸、イソプロピルメチルフェノールの4つの薬用成分で歯周病を防ぎます。

フッ化ナトリウムも1450ppmと高く配合されているのでむし歯予防にも効果的です。少し粘着性の高いジェルでさわやかな色をしていて、若干辛味があるので大人な味。

コンクールジェルコートF

クロルヘキシジン、グリチルリチン酸で歯周病を予防します。歯石沈着を防ぐポリリン酸ナトリウムも配合。フッ化ナトリウムは950ppmです。

SP-Tジェルより辛味は少なく、すっきりした後味。インプラントしている方は、専用のジェルコートIPをご使用ください。ただ、フッ化物無配合なので、天然歯が残存している方は使い方を歯科医院で教わってください。

シュミテクト歯周病ケア

歯周病治療をしたあと、歯茎が引き締まって知覚過敏でしみる症状が出てきた方はいらっしゃいませんか。そんな方におすすめなのがシュミテクト歯周病ケア。

硝酸カリウムでしみるのを予防します。歯周病を予防するグリチルリチン酸と1450ppmの高濃度フッ化物が配合されています。

チェックアップルートケア

歯肉が退縮してきた方におすすめなのがこちら。ピロリドンカルボン酸が露出した象牙質をコーティングします。無研磨ジェルタイプなので削れやすい歯根にもやさしい仕様になっています。

塩化セチルピリジニウムも配合されているので殺菌効果もあり。泡立ちが少なく、やさしい味なので少量の水ですすげます。

歯磨き粉よりも歯ブラシの仕方の方が大切

いかがでしたでしょうか。ぜひ試してみてくださいね。

しかし、歯磨き粉はあくまで歯磨きを補助するもの。

細菌は層となって強固にこびりついているため、歯磨き粉が触れただけでは効果はありません。

歯磨き粉を最大限にいかすには、歯ブラシの毛先でしっかり擦り落とすことが大切です。

歯と歯の間や奥歯の裏側など、普段磨きづらいところも丁寧に磨く日を定期的につくってみてくださいね。

もし磨き方でわからないことがあったり、他にもおすすめな歯磨き粉を知りたかったりしたら、ぜひ当院までお気軽にご来院ください。

 

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