タバコは歯周病の原因になる?気になる喫煙と歯周病の関係

歯周病
  • 「タバコが健康に悪いことは知っているけれど、辞められないんだよね」
  • 「むし歯になったことがないので、歯医者には行かなくても大丈夫」
  • 「ヘビースモーカーだけど、歯磨きしているから歯周病にはなってないはず」

…このように考えている人は危険かもしれません。

現在、タバコはあらゆる病気に影響があると言われていて、「健康を害するもの」といった認識は多くの方が持っているかと思います。

しかし、健康を害するといっても、病気の実感がなかったら「禁煙しよう」とも思えないですよね。

歯周病は成人の8割が罹患している、もしくは予備軍と言われているほど、あらゆる病気の中でも特になりやすい疾患とされています。タバコは歯周病の直接的な原因ではありませんが、環境因子のなかでは最大のリスクファクターです。

そこで今回は「歯周病とタバコの関係」に焦点を当てて、タバコを吸うことでお口の中がどのように変化するのか、解説していきます。

歯周病のリスクが上がる一番の危険因子は「喫煙」

歯周病はプラーク中の細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患です。また、プラーク中の細菌がつくりだす酸は、むし歯の原因にもなります。

プラークは唾液のカルシウムなどを取り込んで、かたい歯石が形成されます。歯石自体が歯周病の原因ではありませんが、石のようにデコボコしていてプラークが付きやすいため、間接的に歯周病の原因になってしまうのです。

よって、歯周病の直接的な原因となるのは「プラーク」ですが、歯周病を悪化させる危険因子は「糖尿病」「タバコ」「ストレス」「肥満」「骨粗鬆症」などあらゆるものがあります。

そのなかでも重度喫煙者であるヘビースモーカーは、歯周病の最大の危険因子であることが示されました。歯周病の原因となる細菌たちよりも喫煙の影響のほうが歯ぐきを崩壊させるリスクが高いのです。

参考文献:ニューヨーク州立大学 歯周病の危険因子と歯肉付着部崩壊のオッズ比 (Gencoら1994)

喫煙者の歯周病への影響

タバコは「歯周病になりやすい」だけではなく、「歯周病が悪化しやすい」「歯周病の自覚がしにくい」「歯周病の治療をしても治りにくい」ことまでわかっています。

喫煙者は、タバコを吸わない人に比べて2〜8倍歯周病になりやすいことが報告されています。

別のデータでは、1日10本以上タバコを吸うと5,4倍、10年以上吸っていると4,3倍に上昇し、重症化しやすくなります。

タバコには4000を超える化学物質と、ニコチン、タール、一酸化炭素をはじめとした約200種類もの有害物質が含まれています。

口からタバコの有害物質が入ると粘膜や歯ぐきから吸収され、歯ぐきの血流量を低下させます。

血液循環が悪くなって歯ぐきに酸素が行き渡らなくなると、歯周ポケットのなかで細菌が繁殖しやすくなります。栄養不足でからだの抵抗力はなくなり、歯周病にもかかりやすくなります。

ニコチンが血中に入ると、毛細血管の収縮作用が起こります。すると、炎症があっても出血や発赤などしなくなり、症状が表に現れなくなってしまうのです。症状が現れずにどんどん進行していくことから放っておくと重症化しやすくなります。

また、一酸化炭素とニコチンは、免疫機能を低下させる力もあります。さらに傷を治す働きも抑えてしまうので、歯周病の治療を行ったとしても、術後の経過が良くありません。

そのほか、歯の表面に「ヤニ」や「ステイン」と呼ばれる着色汚れがつくと「見た目が悪くなる」「歯の表面がざらざらしてプラークがつきやすくなる」「お口の中にニコチンが染み出し続ける」といったことも起こります。

喫煙者が「歯周病にかかりやすく、自覚しにくい、悪化しやすい、治療しても治りにくい」ことがお分かりいただけたでしょうか。

歯を喪失する一番の原因は歯周病ですから、歯周病によって歯の本数が低下してしまうと、健康寿命も短くなるとも言われています。寿命と健康寿命がイコールであればよいかもしれませんが、誰かのお世話になりながらのベッド生活が長くなるのは辛いですよね。

喫煙者が及ぼす周りへの影響

また、自分がタバコを吸っていないからといって安心してはいけません。「二次喫煙」や「三次喫煙」をご存知でしょうか。

二次喫煙は、いわゆる「受動喫煙」です。ほかの人の吸ったときに出る煙の「副流煙」や、喫煙者が吐き出した煙の「呼出煙」によって、有害物質を多量に含んだ気体を吸入することで自分も暴露してしまいます。受動喫煙でも、全身のみならず歯周病への影響がみられるといった報告もあります。

三次喫煙は「残留受動喫煙」とも呼ばれています。目の前にタバコがなかったとしても、周囲に残留する化学物質を吸引してしまうことがあります。喫煙者の髪の毛や衣服、カーテンやソファ、壁、部屋などに化学物質は長く残留し、ほかの人へ影響を及ぼします。

歯周病予防に喫煙の効果はどのくらいある?

禁煙することで歯周病への効果はあります。禁煙することで、数週間程度で免疫機能を回復させ、歯周病のかかりやすさは4割ほど減ると言われています。

禁煙した人とタバコを吸ったことがない人の術後の治療経過の差もほとんどなくなるのです。また、歯の表面のヤニはつかなくなり、歯ぐきの黒ずみも少しずつ健康的な歯ぐきの色になっていくでしょう。

ほかにも「呼吸がしやすくなって咳や痰が減る」「味覚が戻ってごはんがおいしい」「口の中がすっきりして口臭がなくなる」「がんの心配が減ってからだも健康になる」「周りの人にも良い影響がある」などメリットはたくさんあります。

もし「喫煙している」「歯周病が心配」「禁煙したいけどなかなか辞められない」などひとつでも当てはまることがあれば、お気軽に当院までご相談ください。

お身体やお口の中の状態を拝見し、ご自身に合う治療プランを考えていきます。禁煙したくなるようなアドバイスもいたしますので、なにか気になることがございましたらご連絡お待ちしております。

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