「キシリトールガムでむし歯が治ると聞いたことがある」
「むし歯や歯周病をラクに防ぐ方法が知りたい」
このような話を聞いたことがある方も少なくないはず。本当にガムを噛むだけで、むし歯や歯周病が治ったり予防になったりするのでしょうか。
そこで今回は「ガムを噛むことでどのようにむし歯や歯周病の歯科疾患に効果があるのか」についてお話しします。
ガムに関する疑念を解決して、できそうなことを少しずつでもいいのでぜひ始めてみてくださいね。
ガムを噛む効果
ガムを噛むことでさまざまな効果があることはご存知の方も多いと思います。
今ではスポーツ選手がガムを噛みながらプレイする様子をみる機会も増えました。
ガムを噛むことで得られる効果は下記のものがあります。
- 集中力が高まる
- ストレス解消になる
- 肥満を防ぐ
- 認知症予防になる
- 唾液が出て胃腸の働きをよくする
- 顎の発達を促す…など
遠いつながりではありますが、どれも歯科に関連します。
ストレスが緩和すれば、歯ぎしりや食いしばりを防げます。
顎の発達を促して歯並びが整えば、磨きやすくなり、口腔内をきれいな状態を維持することができます。
かみ合わせが整えば、一部の歯への負担が減ります。
さらに、肥満や認知症が防げれば、歯周病のリスクファクターを減らすことだってできるのです。
このなかでも特に重要なのは「唾液の分泌が増えること」です。
ガムを噛むとこのようなメリットがあり、歯科疾患との関連を言われる要因となっています。
ガムを噛むことで本当にむし歯予防になる?
ガムを噛むとあらゆるメリットがあることがわかりましたが、実際にむし歯を治したり、防いだりすることはできるのでしょうか。
答えはYesでもあり、Noでもあります。
ガムを噛むことで唾液分泌が促され、むし歯予防の効果を発揮します。
しかし、甘いガムではだめ。唾液の効果を上回るむし歯の原因を作ってしまいます。
では、キシリトール100%のガムはどうでしょうか。
キシリトールはむし歯の予防になるとTVのCMでもよく聞きますが、実はキシリトールによるむし歯の予防効果ははっきりと示されていません。
キシリトール単体の効果ではなく、ガムを噛んだことによる唾液の分泌が増えることによるものとされています。キシリトール製品はタブレットなど様々なものがありますが、むし歯の予防効果はガム以外では確認されてないようです。
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD010743.pub2/full
よって、ガムを噛むことは唾液が分泌されるので、むし歯予防効果はあります。
ただ、他の甘味料のかわりにキシリトール100%の商品を選ぶことはむし歯の抑制になるものの、そもそも”甘いものを摂取することが習慣となっている“のがあまり好ましくありません。
お砂糖は依存性があるので、食べなくて済むなら食べないほうがいいです。
甘いものを食べるならキシリトールがよいかもしれませんが、キシリトールは多量に接種するとお腹をくだしやすくなります。
つまり、菓子などの甘いものを欲しない身体づくりが必要ということですね。
ガムを噛むことと歯周病は関係ある?
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
お口の中には様々な細菌がいて、歯磨きが不十分であることや、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバついた物質をつくって歯の表面にこびりつき、細菌を増やしてしまいます。
それがプラーク(歯垢)です。歯周病は、プラーク中の細菌によって歯茎に炎症を起こして、歯を支える骨を溶かしていってしまいます。
よって、お砂糖のかわりにキシリトールガムを噛んでプラーク形成を抑制することや、唾液の自浄作用・抗菌作用によって細菌を減らすことは、歯周病と関連があるかもしれません。
また、糖尿病やストレスなども歯周病を進行させるリスクファクターでもあるため、これらがガムによって防げるのであれば、効果があるといえるでしょう。
そうはいっても、それだけで歯周病が防げるわけではありません。
歯周病の原因はプラークなので、歯磨きで徹底的にプラークを除去することが必要です。
以上のように、ガムを噛むことによってむし歯や歯周病に良い影響を与える部分もあるものの、それに頼り切るのは考えもの。
残念ながら世の中に甘い話はないということですね…。
むし歯や歯周病を予防するために大切なことはほかにたくさんあるので、詳しいことが知りたい方は、ぜひ当院までご相談にいらしてください。
なにか気になることがございましたら、当院までお気軽にご相談ください。
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