歯磨きは何分行うのがベスト?最適な磨くタイミングも紹介

その他
  • 「歯磨きは何分するのがいい?」
  • 「歯磨きの理想的な時間やタイミングを知りたい」

このような疑問をお持ちの方のために「歯磨きは何分行うのがベストなのか」をお伝えします。

最適な磨くタイミングも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

みなさんの歯の健康を守るお手伝いができたら幸いです。

歯磨きは何分行なうのがベスト?

歯科医療従事者のなかでも、歯磨きにかける理想的な時間は「3分」「5分」「10分」「20分」…と人それぞれ言うことが違います。

ちなみに歯科衛生士である筆者は、就寝前の歯磨きではフロスやタフトブラシなども使うので20分ぐらいかけています。

むし歯予防の先進国であるスウェーデンのイエテボリ法では「2-2-2-2」で覚える「1日2回、2cmのフッ化物入り歯磨き粉、2分間磨く、歯磨き後うがいせず2時間飲食しない」と言われていて、歯磨き時間2分を推奨しているものもあります。

歯科医療従事者のなかでもこれだけ意見が分かれているのです。

歯を磨くのに必要な時間は3分以上

では、実際にどのくらい磨くのがよいのでしょうか。

「歯を磨くのに必要な時間は3分以上」と考えられます。

「たった3分でいいのか」と思うかもしれませんが、ポイントは”以上”です。

厳密に◯分がいいとは言えないということですね。

どれだけ時間をかけたかよりもどれだけきれいに磨けたかどうかが大切です。

3分でも全体的におおむね磨けるのですが、細かいところはプラーク(歯垢)が残ることがあります

残ったプラークが蓄積されると悪さする菌が増え、病原性の高いプラークが形成されると歯周病などを引き起こしてしまうのです。

よって、1日に1回は3分という時間にとらわれず丁寧に磨くことをおすすめします。現在の磨き方できれいになっているかは、染め出しなどを行なってチェックしてみてくださいね。

磨きすぎもデメリットがある

「では、たくさん磨けば良いのね」と思った方もいらっしゃるはず。

実は磨き過ぎもよくないのです。何事も適度が大事ということですね。

磨き過ぎによるデメリットは2つあります。

  1. 歯の表面が削れる
  2. 歯ぐきなどの粘膜を傷つける

歯ブラシが硬すぎたり、強くこすりつけたり、長く同じところを磨き続けてしまうと、歯の表面や歯ぐきなどの粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。

歯の表面であるエナメル質が削れてしまうと、なかの象牙質が透けて歯が黄色くみえてしまいます。

また、神経に近くなるため歯がしみやすくなり、知覚過敏を引き起こすことも。

歯ぐきを傷つけてしまうと、歯ぐきの形態が悪くなって下がってしまうことがあります。

歯ぐきが下がると歯が長くなって見た目が悪くなるほか、しみる症状がでることもあります。

真面目な方ほど磨き過ぎによる弊害が出てしまうので、磨き過ぎも注意が必要です。

ご自身で磨きすぎているのかなどを判断するのは難しいと思うので、定期的に歯科医院にて客観的に診てもらいましょう。

適切な歯磨きのタイミング

適切な歯磨きのタイミングは「食後すぐ」と「就寝前」です。

最低でも朝食後と就寝前の2回は行なうようにします。

現在は「食後に時間を空けずに歯磨きする習慣づくり」が大切と考えられています。

歯磨きの目的は、プラーク(歯垢)を除去すること。すなわち、酸を産生する細菌や原因となる糖を取り除くことです。むし歯予防の観点からは食後すぐの歯磨きを推奨しています。

NEWS|日本学校歯科医会

 

また、寝ている間は唾液量が減るので、1日のなかでも最も口腔内の細菌が繁殖しやすい環境になっています。

就寝前はお口の中の細菌を減らすためにも、特に丁寧に磨くことを徹底してみてください。

食後すぐの歯磨きはよくないのでは?

「食後30分は歯が削れるので磨かないほうがいい」という話を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

酸性の強い食べ物や飲み物を摂取したあとは歯が溶けやすいといった、いわゆる酸蝕症を懸念した意見です。

しかし、食後の歯磨きを遅らせるべきであることを推奨する有力な根拠はありません。

Chapter 8: Oral hygiene

 

歯の表面のエナメル質は強いこと、唾液の作用で酸を中和することによって、酸性食品の頻回摂取がない限り、酸蝕症は起こりにくいと考えられます。

よって、通常の食生活であれば歯磨きをすぐにしても問題ないと言えます。ただし、酸性の強いものを摂取した場合に限っては、気をつけてもいいかもしれません。

歯磨きのほかに重要な考え方

また、毎回100%プラークを取りきればいいかというとそういうわけでもありません。お口の中には無数の細菌がいて100%取り除くことは不可能です。

なので、歯磨きだけにこだわるのではなく、まずは悪さしない環境を整えてあげること。食生活を含めた生活習慣を整えることが歯科疾患予防にも繋がります。

また、むし歯や歯周病は不公平で、どれだけ頑張ってケアしていてもなる人はなりますし、適当な人でもならない人はならないことがあります。

リスクは人によって違うため、リスクに応じた対応が必要になってきます。ご自身のリスクがどれだけ高いかは歯科医院にて診査診断してもらわなければわかりません。

歯磨きのほかに効果的な清掃用具3点

以上のことから、生活習慣を整えた上で、歯磨きは食後と就寝前に行い、時間に関わらず丁寧に磨いて細かいプラーク(歯垢)までしっかり除去すること、定期的に歯科健診に行くことが大切です。

歯磨きは歯ブラシだけでは除去しにくい箇所もあり、効率的に磨くためにはご自身のお口の中にあった歯ブラシや、その他の補助清掃用具を使用する必要があります。

そのなかでも特におすすめなのが下記の3点です。

  • フロス
  • 歯間ブラシ
  • タフトブラシ

特に歯と歯の間は汚れがたまりやすく、歯磨きでは届きにくいですよね。

歯と歯の間を掃除するのに便利なのはフロスと歯間ブラシです。

フロスは糸のようなもので、ホルダー付きのものや糸巻きタイプ、太さの違いや香味・フッ化物配合など様々なものが販売されています。歯間ブラシは針金にブラシがついたようなもので、太さや形がさまざま。

タフトブラシは歯ブラシよりも小さいブラシで、歯ブラシでは届かない奥歯の裏や歯と歯が重なっているところなど細かい汚れにピンポイントで当てることができます。

1日に1回はこれらを使って、普段取り切れない汚れを徹底的に除去することで歯科疾患を予防することができます。

ご自身に合う道具を見つけるためにも、かかりつけ歯科医を見つけて気軽に相談できる環境を整えましょう。

なにかお困りの方は、ぜひ当院までご来院ください。

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