- 「マスク生活で自分の口のにおいが気になるようになった」
- 「ほかの人に”口臭がキツイ”と思われていないか心配」
このように悩まれている方はいらっしゃいませんか。
口臭は自分ではなかなか気付きにくいもの。
他の人から”クサイ”と思われていたら…と不安な気持ちになることもありますよね。
口臭はさまざまなことが原因として考えられますが、そのなかでも特に気をつけたほうがいいのは、歯科の二大疾患である歯周病です。
歯周病からくる口臭は、硫化水素やメチルメルカプタンといったガスが発生して起こります。
硫化水素は、オナラや卵が腐ったような臭いに似ていて、メチルメルカプタンは、魚の生臭さや玉ねぎが腐った臭いに似ていると言われています。
想像しただけでも不快ですよね。原因がほかにある口臭より何十倍も嫌な臭いを発するのが歯周病の口臭です。
しかし、心配はいりません。
歯周病はしっかり対応すれば治癒します。つまり、歯周病をきちんと治せば口臭も予防できるということです。
そこで今回は「歯周病の口臭を自分でチェックする方法」についてお話しします。口臭をなくして予防するための習慣もご紹介します。
歯周病の口臭を自分でチェックする方法4選
口臭は日内変動するとも言われていて、寝起きなのか食事前なのかといった時間や、食事の有無や内容、うがいや歯磨きなどによる影響も大きいです。
ですので、いつでも口臭がしないという人は存在しません。そうはいっても会話をしている相手にまで自分の口臭が伝わり、相手に不快感を与えてしまうのは嫌ですよね。
そこで、歯周病による口臭をセルフチェックする方法を4つご紹介します。
①マスクをしたときの臭い
一番わかりやすいのは、マスクをしたときに自分で自分の口臭がするかどうかをチェックしてみてください。
ただ、息がしやすいような密度が低いタイプのマスクでは吐息が外に抜けてしまうため、わかりにくいでしょう。できれば医療用の高密度フィルターマスクで99%以上ウィルスを除去できるもので試してみてください。
外からの空気が入りにくい分、自分の口臭がそのまま感じられます。
②使ったあとの歯ブラシを確認
使ったあとの歯ブラシの臭いをチェックするのもひとつの方法です。歯ブラシに付着したプラークや唾液からの臭いを確認できます。
お口の中には、好気性菌、嫌気性菌などさまざまな菌が存在しています。嫌気性菌は酸素が少なくなると活発に動き、揮発性硫黄化合物という臭いにおいを放ちます。揮発性硫黄化合物が唾液と混ざることで唾液も臭いがするようになるのです。
また、プラークは歯に付着した細菌が繁殖したもので、歯垢とも言います。白くネバネバしたプラークには1mg中には300種類の菌が1億個以上。その細菌たちが硫化水素やメチルメルカプタンなどの臭い物質を作るため、プラークがあることで口臭がしてします。
むし歯や重度歯周病時の膿の臭いなども口臭の原因となるので歯ブラシのにおいをかぐと口臭がわかることがあります。新しい歯ブラシだとより明確になるので試してみてください。
ほかに、においの他に歯茎を観察してみるのもおすすめします。歯周病は骨や歯茎の病気なので、歯茎が腫れているか、出血してるか、赤みがあるか、膿が出ていないかなども合わせてチェックしてみましょう。舌の汚れをティッシュでこすってみるのもよいかもしれません。
③コップや袋に息を吹きかける
コップや袋にご自身の息を吹きかけてにおいをかいでみるのもおすすめです。
蓋をして数秒おいてからにおいをかいでみてください。ただ、自分の臭いに慣れてしまっているため、自分の鼻では正確にははかれません。
医療機関でも試されている方法のひとつですが、他人ににおいをかいでもらうのが一番です。正直に伝えてくれる信頼できる人にお願いしてみるのはいかがでしょうか。
④口臭チェッカー
データで口臭度がわかる口臭チェッカーもあります。器械を購入するだけで、ご自宅でチェックできます。息をふきかけて数値をだしてくれるので簡単に調べられるでしょう。
ただ、結果があいまいで数値が高くなったり低くなったりするため、精度はイマイチかもしれません。医療機関でも調べられるので不安がある方は受診してみてください。
口臭の原因は5つ
口臭の原因は主に5つあるとされています。
①お口の中が原因
さきほどもお伝えしたように、むし歯や歯周病、歯が割れて膿が出ているなどのお口の病気、プラークなど汚れが大量に付着しているなどでも臭いが発生します。
また、唾液は抗菌作用があるため、唾液が少ないときも臭いがでやすいですし、舌苔と呼ばれる舌の汚れが原因のこともあります。
②全身疾患が原因
また、お口に限らず全身的なご病気が口臭の原因となっていることもあります。糖尿病、肝硬変、肝がん、トリメチルアミン尿症、尿毒症など患っているとにおいがしやすいです。その他、ストレスがかかっているときや胃腸の調子が悪いときも口臭がします。
③食事が原因
においの強いにんにく、ニラ、玉ねぎ、キムチなどを摂取したあとは、においが残って口臭の原因に。また逆に空腹時にも口臭がしやすいといった点もあります。
アルコールや喫煙もにおいが残ります。胃の中で消化されたあとは、血液を介して全身に循環してから肺を経由して吐き出されるため、口をキレイにしていても臭いが出るようです。
④生理的口臭
口臭は日内変動するとお伝えしましたが、朝の起き抜けや空腹時、女性の生理やホルモンバランスによってもにおいに変化があります。
代謝や食事、生活など、どれだけ気をつけていても無臭になることはないということです。ただし、生理的口臭が原因のときは時間の経過とともににおいも落ち着いてきます。
⑤心理的口臭
口臭のなかには心理的口臭と呼ばれるものもあります。これは口臭がないにも関わらず、口臭があると思い込んでしまっている状況です。
精神的に不安的な方や神経質な方、過去に口臭を指摘されてコンプレックスに思っている方などにみられます。
口臭をなくして予防する習慣
それでは、口臭を少なくする方法はあるのでしょうか。
次は予防するための習慣6つをご紹介します。
①歯磨きやうがいで予防する
お口の中が原因で口臭がするには一番な方法です。何よりも歯ブラシでプラークをこすり落とすことが大切。遠回りのようでなんだかんだ一番安くて早い近道でしょう。
②歯科医院で徹底的に治療する、定期検診に通う
①のことができたとしても不十分。病気になっていたらご自身で治すことは不可能だからです。また、汚れを完全に取り切ることも難しいでしょう。
そこで、歯科医院に通い、きちんと治療をしてから定期的にメインテナンスに通う。それらをするだけで口臭はぐっと減らせます。
💡併せてチェック:歯のメンテナンスの重要性 おすすめの頻度や料金目安
③唾液腺マッサージをする
お口の乾燥は口臭のもと。抗菌作用のある唾液でにおいを防ぎましょう。
唾液のなかでもリラックスしたときにでるサラサラとしたものが特に口臭予防に効きます。
唾液が分泌されるのは耳下腺・顎下腺・舌下腺から。
耳の後ろと顎の下のツボを押すと唾液がよく分泌されます。
水分をよくとって唾液分泌量を増やすのもひとつです。水分をよく取ると腸内環境も整い、胃腸の調子がよくなって口臭もなくなるといった効果も。
④キシリトールガムをかむ
ガムをかむと刺激されてよく唾液がでます。
また、キシリトールは代用甘味料なのでむし歯になりにくいです。
甘いものはプラークを生成してむし歯にもなりやすいので、日常的に摂取するなら断然キシリトールガム。
キシリトールにはむし歯を直接的に予防する効果はありませんが、代用甘味料として&唾液を分泌させるといった意味で効果的です。
結果的に口臭も予防されるでしょう。爽やかな香りで口臭を防ぐというプラスの効果も。
⑤全身的なご病気のケアをする
どこか身体に不調があるのであれば、まずは健康的なからだづくりから始めてください。
糖尿病などは生活習慣病とされていて、日常生活の見直しが大切。
食事、睡眠、運動など基本的なことを日頃から気をつけているだけで違います。
規則正しい生活をしていたら、気づいたときには口臭は気にならなくなっているかもしれません。
⑥ストレスをため込まない
心の不調は身体の不調に繋がります。ストレスは副腎皮質ホルモンやアドレナリンが分泌され、交感神経を活発にします。血圧や血糖値まで上昇して身体に負荷がかかってしまいます
。自律神経のバランスが崩れると内臓器官の機能低下にも繋がるでしょう。すると口臭がするように。
いつでもストレスをため込まないこと。自然のなかを散歩するだけでストレスが緩和されるといった研究もあるため、ストレスを感じたら一歩外に出てみてはいかがでしょうか。