ふと鏡で口の中を見たときに、「あれ?銀歯のまわりが黒い…」
そんな経験はありませんか?
銀歯を入れてから数年たつと、まわりが変色してきたり、歯ぐきとの境目に黒ずみが見えることがあります。
「これって虫歯の再発?」「銀歯ってずっと使えるんじゃないの?」
と心配になる方も多いはず。
この記事では、銀歯のまわりが黒くなる原因と、詰め物の寿命、そして注意すべき症状や対処法について、わかりやすく解説していきます。
銀歯のまわりが黒くなる主な原因とは?
まず気になるのは、なぜ銀歯のまわりが黒くなるのかという点ですよね。
原因としては、主に以下のようなことが考えられます。
1. 虫歯の再発(2次う蝕)
もっとも多い原因がこれです。
「2次う蝕(にじうしょく)」と呼ばれるもので、銀歯と歯のすき間から細菌が入り込み、再び虫歯になってしまう状態です。
銀歯はセメントで接着されていますが、年月が経つと接着剤が劣化したり、噛み合わせの力でわずかな隙間ができてしまいます。
そこにプラーク(歯垢)や細菌が入り込むと、内部で虫歯が進行し、表面に黒ずみが現れることがあります。
2. 金属の成分が溶け出して黒くなる
銀歯に使われている金属は、唾液や酸に反応して、わずかずつ溶け出すことがあります。
その金属イオンが歯質や歯ぐきに沈着し、黒ずみや歯ぐきの変色(メタルタトゥー)を引き起こすケースもあります。
この場合は虫歯ではないこともありますが、審美的な問題や、金属アレルギーのリスクにもつながるため注意が必要です。
3. 詰め物の下の着色汚れ
虫歯ではないものの、隙間から色素が入り込み、銀歯の下の歯が変色して見えることもあります。
コーヒーや紅茶、ワイン、喫煙などによって着色が進むことも。
この場合も見た目は黒く見えますが、虫歯でないこともあり、判断にはレントゲンなどの精密検査が必要です。
詰め物にも寿命がある?銀歯の耐用年数をチェック
銀歯は「永久に使える」と思われがちですが、実はそうではありません。
一般的に、銀歯(インレー・クラウン)の寿命は次のように言われています。
- インレー(部分的な詰め物):5~7年程度
- クラウン(被せ物):7~10年程度
もちろん、これはあくまで目安であり、定期的なメンテナンスや口腔環境の良し悪しによって前後します。
「10年以上も問題なく使えている」という方もいれば、「5年もたたないうちに再治療が必要になった」という方も。
大切なのは、定期的に歯科医院でチェックし、必要があれば早めに交換を検討することです。
こんな症状があると要注意!銀歯のチェックポイント
以下のような症状がある場合は、虫歯の再発や銀歯の劣化の可能性があります。
- 銀歯のまわりが黒く変色している
- 冷たいもの・甘いものがしみる
- 噛むと痛みがある、違和感がある
- 歯ぐきが腫れている・血や膿が出る
- 銀歯が浮いてきた・外れそう
これらの症状は、すでに虫歯が進行しているサインかもしれません。
放置せず、なるべく早く歯科医院を受診するようにしましょう。
銀歯を長く保つためにできること
詰め物を長持ちさせ、虫歯の再発を防ぐには、日常のケアも非常に大切です。
・丁寧な歯磨き
歯と銀歯の境目に汚れが溜まりやすいため、そこを意識して磨きましょう。
・フロスや歯間ブラシの使用
歯ブラシでは届かない部分の汚れも除去できます。
・定期的な歯科検診
半年に1回のチェック&クリーニングが理想です。
これらを続けることで、銀歯の寿命を延ばすだけでなく、再発虫歯の早期発見にもつながります。
銀歯が気になるなら、セラミックへの交換も検討を
見た目や金属のリスクが気になる方は、セラミックやジルコニアなどの白い詰め物・被せ物への交換もひとつの選択肢です。
メリットとしては、
- 見た目が自然で目立たない
- 金属アレルギーの心配がない
- 変色しにくく、歯ぐきへの色素沈着も起こらない
もちろん、素材によって費用は異なりますが、長い目で見ての安心感や満足度は高いと感じる方が多いです。
銀歯の黒ずみは放置せず、歯科でチェックを
銀歯のまわりが黒くなっている場合、虫歯の再発(2次う蝕)や金属の溶け出しなど、何らかの異常が起きている可能性があります。
詰め物にも寿命があるため、「入れたら終わり」ではなく、定期的なチェックとメンテナンスが大切です。
もし黒ずみや違和感がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
症状が軽いうちに治療すれば、歯を削る量も最小限で済み、通院回数も少なくて済むことが多いです。
銀歯を使っている方は、この機会にぜひご自身のお口の中を見直してみてくださいね。